福井大学医学部小児科学
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診療内容

当科では、感染症をはじめとした一般的な病気から、免疫・アレルギー、血液・腫瘍、代謝・内分泌、神経・発達・心理、循環器、未熟児・新生児領域の専門性の高い疾患まで対応できます。種々の領域の複数の臓器にまたがる疾患や、さまざまな合併症を伴いやすい難治性疾患に対して、各部門が連携して集学的な診療を行っています。

免疫・アレルギー・感染部門

アレルギー・免疫部門では小児のアトピー性皮膚炎、食物アレルギー、気管支喘息などをはじめとした様々な小児アレルギー疾患、皮膚筋炎や若年性特発性関節炎、炎症性腸疾患などの膠原病、自己炎症性疾患や原発性免疫不全症の診断治療を行っています。食物アレルギーの診断では、食物経口負荷試験、運動負荷試験、研究的治療として経口免疫療法を行っています。気管支喘息に対しては、呼吸機能や呼気NO測定を用いた喘息管理、生物学的製剤を用いた重症喘息患者に対する治療を行っています。アレルギー性鼻炎に対する舌下免疫療法や皮下免疫療法を行っています。また、高度医療の一環として免疫機能解析を各種自己免疫疾患の病態解析、治療評価に応用することで、膠原病や原発性免疫不全症の診療を行っています。
小児アレルギー診療に関する専門的教育を受けた看護師(エデュケーター)による患者さんへの指導や講演会なども行っています。医師の診察だけではなく、知識のある看護師からも説明を行うことで、長期にわたる治療が必要なお子さんの理解度を深め、積極的に治療に関わるようにサポートしています。
免疫・アレルギー部門

血液・腫瘍部門

血液・腫瘍部門は、再生不良性貧血・免疫性血小板減少性紫斑病などの非腫瘍性血液疾患や、白血病・神経芽腫などの腫瘍性疾患(小児がん)を含めた、幅広い診療を行っています。日本での小児がんの発生数は年間2,500例程度であり、白血病・リンパ腫・神経芽腫・腎芽腫・横紋筋肉腫・脳腫瘍など、がんの種類は多岐にわたります。病気の種類にもよりますが、半年から1年と長期にわたる入院治療が必要な場合があります。より良い治療方法を開発するためには、科学的根拠に基づいた多施設による共同の臨床試験が必要です。事実、近年の再生不良性貧血や小児がんにおける治療成績の向上は、多施設共同研究を繰り返してきた結果と言えます。小児がんに関しては、1990年代の日本には既に複数の研究グループがありましたが、2014年12月に統一され、オールジャパンに立脚する臨床研究グループとして、日本小児がん研究グループ(JCCG)が発足しました。当科もJCCGの参加施設として、様々な小児がんに対して臨床研究の一翼を担っています。
また、骨髄バンクやさい帯血バンクからの造血幹細胞移植が実施可能な県内唯一の施設として、再生不良性貧血、再発・難治がん、原発性免疫不全症、先天性代謝異常症などのお子さんに対して、移植治療を行っています。福井県立病院陽子線がん治療センターとの診療連携も行っています。私たち医師だけでなく看護師、薬剤師、理学・作業療法士や病棟保育士を含めた小児科チームとして診療を行うことで、入院しているお子さんのみならず、御家族が安心して地元の病院で治療を受けていただくことができるよう、努力していきたいと考えています。
免疫・血液・腫瘍部門

代謝・内分泌部門

代謝分野は、質量分析装置を用いたアミノ酸・有機酸・脂肪酸代謝異常症の診断において、国内の中心的施設となっており、これらの疾患の早期診断、治療を行っています。内分泌分野では、成長障害をはじめとする様々な疾患に対応しており、県内の他医療機関と連携して診療にあたっています。また患者教育活動の一貫として、毎年福井県小児糖尿病サマーキャンプを開催しています。
代謝・内分泌部門

神経・発達・心理部門

神経・発達・心理部門は、福井県唯一の小児神経専門医研修認定施設として、県内の関連施設と連携しながら専門的診療を行っています。けいれんや意識障害などの神経救急疾患への対応や、難治性てんかん、筋疾患や神経難病などの慢性疾患への診療を行っています。また、臨床心理士とともに、自閉スペクトラム症や注意欠如多動症などの神経発達症や、さまざまな子どもの心の問題について、「子どものこころ診療部」と連携して診療にあたっています。さらに、福井県自閉症協会と連携して、自閉症児のきょうだい支援活動にも取り組んでいます。
神経・発達・心理部門

未熟児・新生児部門

福井県には福井大学と福井県立病院の2施設でNICUが設置されており、県内の新生児の治療成績の向上を目指して日々診療にあたっております。福井大学病院では超低出生体重児から成熟児まで、小児外科や眼科などの他科と協力し、幅広く診療を行っています。また福井県立病院、福井愛育病院・福井循環器病院などと連携・協力して治療を行っています。
未熟児・新生児部門

腎臓部門

腎臓部門では他の関連施設と連携しながら、検尿異常の対応や尿路感染症、尿路奇形、腎炎症候群やネフローゼ症候群、腎不全などの診療にあたっています。適応に応じて腎生検を行い、病理学的検討を行っております。先天尿路奇形などでは、当院小児泌尿器科と連携して診療を行っております。
腎臓部門

ホスピタル・プレイ・スペシャリスト(HPS)

HPSとは、遊びを用いて医療環境をチャイルドフレンドリーなものにし、子どもたちが医療経験を肯定的に捉えられるようにするため、医療チームの一員として働く専門職です。福井大学病院にはHPS資格を持つ看護師・保育士がいます。私たちは子どもたちが治療に必要な安心や勇気を持つことができるように、一緒に遊んだりお話をしたりすることで、入院中の様々な検査・処置への不安や心理的混乱を軽減し、治療に向かうお手伝いをします。これらをプレイ・プレパレーション/ディストラクションといいます。また子どもだけでなく、そのきょうだいを含めた家族の入院により感じる思いや悩みに寄り添い、一緒に乗り越えるための支援を行います。医療経験が少しでもあたたかく前向きなものとして子どもや家族の中に残ることを目指しています。


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病態制御医学講座 小児科学

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福井県吉田郡永平寺町松岡下合月23-3
TEL. 0776-61-3111
内線2316【小児科事務室】
FAX. 0776-61-8129

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(教授 大嶋)
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