ヴァイオリンを習う場合、「スズキメソード」という教則本を用いることが非常に多いと聞きます。この創始者である鈴木鎮一氏は、世界的には音楽教育家および教育学の理論家として有名で、特にアメリカで高く評価されているとウィキペディアに書かれるほどの人物であります。この人の残した言葉で「子供は親から微笑むことを学ぶ」というものがあります。生後3か月ころから始まる「笑顔」という表情が、親の笑顔からその方法を学び取っているとされています。この考えが医学的に正しいかどうかはさておき、親御さんが楽しそうにニコニコしていれば子供も笑顔になるし、逆に親御さんの表情が硬ければ子供らは敏感に感じ取って、顔色をうかがうようになり、笑顔も少なくなるというのはよくある話でしょうか。
この理論を考えれば、子供を笑顔にするためには、まずはその親御さんを笑顔にさせる必要があります。小児科診療の場合、これがなかなか難しくあります。小児科医と出会う子供はだいたいが病気を患っており、その中には大病の子供もおられます。子供が病気なら、たいてい親御さんは不安で笑顔はありません。その状況において、小児科医の声かけ一つで親御さんの不安を取り除くことができ、安心して笑顔で帰って行かれる姿を目にします。そして後日の再診時に、よくなりましたと親子笑顔で診察室に入ってきてくれます。適切な診察・診断をして治療をすることはもちろんですが、それだけが小児科医ではないと感じる瞬間です。
小児科医は大変な職業です。子供の将来を担うためその責任は重く、ときにその風当たりが強くなることもあります。しかし、病気を治す手助けをすることで、その子供と親御さんの両方を、笑顔に変えることのできる数少ない職業です。患者一人を相手するのではなく、その家族を含めて笑顔にする。困難ですが、やりがいがあり、何より楽しい。
少しでも小児科の診療に興味を持ってくれればうれしく思います。
当科は免疫・アレルギー、血液・悪性腫瘍、内分泌・代謝、神経・発達、未熟児・新生児の専門家を擁し、小児医療のすべての専門分野で最新の医療を研修できます。
日本小児科学会認定教育施設、日本アレルギー学会認定教育施設、日本さい帯血バンクネットワーク登録移植医療機関診療科、骨髄移植推進財団(日本骨髄バンク)、非血縁者間骨髄移植認定診療科、日本周産期新生児医学会認定基幹研修施設、小児神経専門医研修施設となっています。
卒後初期臨床研修終了後の小児科専門医研修は大学病院での勤務(医員)および関連病院での勤務をとおして行います。大学病院小児科での研修は、小児科の各専門領域(上記)の診療及び小児科総合診療を学びます。
少しでも多くの種類の症例が経験でき、各指導医の専門性を生かした様々な診療技術を数多く修得できるようにするため、指導医と研修医師の組み合わせを変えるローテーションを組んでいます。
当科では初期臨床研修を終えた専攻医だけでなく、他の病院や施設にお勤めの先生方の募集も行っています。これまで築いてこられたキャリアやスキルを存分に発揮できる、オープンな職場です。見学や短期研修なども大歓迎ですので、お気軽にお問い合わせください。
医学生から小児科医としてキャリアを積まれた方まで、随時受け付けています。
「小児科の見学希望」と明記のうえ、見学希望日を臨床教育研修センターまでお知らせください。
当科では小児科専門医を目指す若手医師はもちろん、小児科医としての経験を生かして共に働いて下さる方も求めています。
小児科の優れた臨床医になるか研究者を目指すのか、あるいはその両立を計るのかは皆さん自身で決めてください。我々はその希望が叶うように助力いたします。
そのために家庭と仕事を両立させて働く女性医師をサポートする体制をとっています。
少しでも関心がおありの方は、是非一度ご連絡ください。
応募資格 | 2年間の初期臨床研修修了又は修了見込みの医師 |
定員 | 特になし 出身大学は問いません。 |
申込締切 | 附属病院の締め切りに準じます。 |
選考方法 | 面接 |
説明会 | ご希望の方に日時、場所をお伝えします。 |
詳細 | 応募方法・必要書類・処遇などは下記リンクをご覧ください。 |
連絡先 |
○ 福井大学医学部附属病院 臨床教育研修センター |
○ 大嶋 勇成(教授) TEL. 0776-61-3111(内線2316) |
▼ 小児科の「タンデムマス・スクリーニング」事業