免疫・アレルギー・感染部門は、免疫・アレルギー疾患の病態解析や、新規の診断・治療法の開発をめざした研究を行っています。食物アレルギーの動物モデルを用いた基礎研究から、皮膚炎の持続が食物アレルギーの重症化につながること、また皮膚炎を改善させると症状が良くなる事を見出しました(Kawasaki A, Allergy. 2018)。また食物アレルギーの患者さんの治癒過程における変化について、臨床研究を行っています。気管支喘息に対しては、重症度やフェノタイプ別の治療管理法を確立するために、モストグラフによる呼吸機能測定や呼気中NO測定以外に、非侵襲的バイオマーカーの開発とその応用を検討しています。また、気管支喘息における気道上皮細胞の役割を解析し、喘息の発症機序の解明と予防法の確立などを研究しています。
免疫・感染症分野では膠原病、炎症性腸疾患、自己炎症性疾患、脳炎・脳症において、血清・髄液中サイトカイン測定、フローサイトメトリーによるリンパ球サブセット解析などを行い、診断や病態の解明と、治療選択など臨床への応用を試みています。
代謝分野では、質量分析技術を用いた先天代謝異常症の診断に関する研究を、長年にわたり行っています。タンデムマス法を用いた新生児マススクリーニングに関しては、研究として全国に先駆けて開始し、診断実績を積み重ねてきました。これが、現在のスクリーニング体制につながっています。現在、小児科代謝検査部門が全国のスクリーニング陽性例の確定診断や、検査の精度管理などの役割を担っています。さらに、様々な症状から先天代謝異常症が疑われる患者さんの化学診断を行っており、遺伝子解析も含めた確定診断システムの構築を目指した研究を行っています。詳細は「タンデムマススクリーニング」のページをご覧下さい。内分泌分野では、1型糖尿病や低身長症などの疾患の治療成績向上を研究テーマとして活動しています。また、患者の療養支援活動も積極的に行っています。
小児神経・筋疾患、神経発達症の病因・病態の解明、有用な診断法の開発と、有効な治療や療育法の開発に関する研究を実施しています。研究では、科学研究費補助金などの援助を受けて、小児の神経発達症の病態解明や診断に有用なバイオマーカーの開発、限局性学習症の早期診断と介入方法の試み、神経発達症とその家族(特にきょうだい)に対する有効な支援方法の開発、小児同胞例を対象とし非線形解析を用いた神経発達症における脳内神経ネットワーク障害の解明、自閉スぺクトラム症児における睡眠障害、てんかんと睡眠との関連、等を行っています。臨床では、福井県で唯一の日本小児神経学会小児神経専門医研修認定施設として、希少疾患や難治性疾患の診断や治療を行っています。また、福井県内の小児神経専門医を志す若手医師育成や専門的な指導を行うために、小児神経に関する画像、脳波、心理・神経発達症の勉強会を定期的に開催しています。さらに、公立小浜病院、市立敦賀病院や福井県こども療育センターで小児神経・発達の専門外来を開設し、福井県内の小児神経の専門的診療ネットワークを構築しています。神経発達症に関しては、附属病院子どものこころ診療部、平谷こども発達クリニック、福井県こども療育センター、教育機関や行政機関と連携を取りながら、神経発達症の診断、治療や専門医師の育成に力を注いでいます。
未熟児・新生児部門では、新生児の治療成績の向上を目指して、日々の診療から問題点を抽出し、臨床研究を主に行っております。現在は、代謝・内分泌部門と協力して、胎児期から新生児期のアミノ酸・脂質代謝に着目し、新生児関連の代謝・内分泌学的合併症の病態解明、およびその予防のための栄養法の開発に取り組んいます。また病的新生児の水・電解質調節の病態生理の解明、早産児の腸管発育の評価法の開発、早産児における慢性腎臓病の早期発見法の開発にも取り組んでいます。後遺症なき発育の追求に力を注いでおります。
当科では、大学院への進学を積極的にサポートしています。多くのスタッフは、社会人大学院生として臨床を行いながら、大学院に進学します。講義などで研究に必要な基礎知識を学びながら、研究テーマを決定し計画を立てていきます。研究テーマは、各自の希望するサブスペシャリティにも応じて選択できます。基礎研究教室とのコラボレーションも相談できます。月1回の院生カンファレンスでは、梅田教授と大学院生・指導医が集まります。実験報告や抄読会を通じて、互いの研究領域から新しいアイデアが生まれることもあります。在学期間中には実験に集中するため、入院患者さんの担当を持たない臨床フリーの期間も設定できます。